見落とし、ちょっと違った発想、今まで常識だと思っていた部分への別の切り口と、色々と考察の種に出来そうなネタや考察の提供。そんな感じで筆者の記事が皆の考察の助けになって居るのなら、とっても嬉しいです。記事を書いた甲斐がありました。
今回はエニル・イリムとマリカついての考察。注意点が二つあります。
一つ目は、筆者はPCじゃなくてPS4でエルデンリングプレイしてます。だから自前のスクショが取れなくて、スマホのカメラで写真撮ったんですよね。なので本当に申し訳ないんですけど、今回の記事めっちゃ画像荒いです。プレイできる人は自分で確認してくれると助かります。
二つ目は、この記事はあくまでも筆者の考えと主観から見た考察(そう思えるんじゃないか? という筆者なりの回答)であって、見た人が納得したり面白かったりしてくれるかもしれないが、正解であるとは絶対に言えない、と言う点。
とにかく筆者がエルデンリングのDLCをプレイして一番思ったのは、今まで常識だと思っていた事が全くの見当外れだった可能性って意外と普通にあり得るんだな、と言う事。
-Contents-
零の幼生から考える、影の地と狭間の地の違い
DLCのテキストにて、考察の補強が出来たと思ったので比較してみます。
影の地は昔の文化、狭間の地は今の文化。
これはまあ、確定です。
筆者が気になるのは、昔の文化である影の地の文化から、今の文化である狭間の地の文化になる際に何が無くなったのか、と言う部分。同時に気にしなくてはならないのは、文明移行時に何が新しく生まれたのか、と言う事。
この二つをきちんと理解する事が、影の地の文化と狭間の地の文化の違いを理解する事に繋がると思う。そんな訳で、一つ目の比較。
まずこっちが影の地で拾う事が出来る零の幼生。
つぎにこっちが、狭間の地で拾う事が出来る零の幼生。
見た目も違うのだが、テキストも若干違う。
影の地で拾う事が出来る零の幼生は「霊墓に生じるという儚い生命。生物と物質の中間にあるもの」とされている。つまり、こちらはあくまでも自然に生じた物になる。誰かが意図的に作り出したものではない、という事。更に言えばこれは、影の地でしか見つける事が出来ない。
対して狭間の地で拾う事が出来る零の幼生は「銀の雫と呼ばれる、変態生物の核。生物と霊の中間にあるもの」とされている。もっと言えばこれは、狭間の地ではなく、より範囲の狭い永遠の都ノクローンやノクラテスに出現する敵と関わりがある。
ちょっと話が逸れるのだが、ノクローンやノクステラの事を少し記述。
銀の雫については、素材「銀雫の殻」にて少し語られている。以下テキスト。
銀の雫と呼ばれる、不定形生物の硬化した殻
アイテム製作に用いる素材のひとつ
永遠の都と、その近辺で見つかる
銀の雫は生命を模倣する
模倣はやがて再誕となり
いつか、王になるのだという
面白言い回しだと思う。
王になるのだという。だという、だ。つまり、断定されていない。
誰かが〇〇(この場合は、王になる)と言った、のだという。と言う感じだ。テキストのニュアンスとしては、むしろ否定している。
Aさんはそう言ってるよね、私はそうは思わないけど。みたいな文章に見える。Aさんの意見にテキストが同意していれば、王になるのだ、で良いと思うのだ。筆者にはそう見える。
そして皆も大好きな遺灰「写し身の雫」のテキストも合わせて確認。
召喚者の姿を模倣し、戦う霊体
ただし、その意志までは模倣できない
永遠の都が、王を創らんとした遺物である
そして王になれなかった事を裏付けるようなテキストもある。
順番に確認していく。
まず遺物とは「前の時代から残されたもの。故人の残したもの。遺品」という意味がある。また馬鹿にするという意味での比喩的な表現で、時代遅れの物(遺物)という意味でも使われる事がある。
一端整理する。
①銀の雫は、生命を模倣し、模倣は再誕となり、再誕は王となる、と。銀の雫を作った者は考えていた、というように読み取れるテキスト。
②写し身の雫は、永遠の都(の住人)が、王を作ろうとした。が、失敗したから遺物と呼ばれている。と読み取れるテキスト。
共通しているのは、王と呼ばれる存在を作ろうとしている事。
そして王を作る手段は、模倣という方法を用いている事。
そして写し身の雫のテキスト曰く、模倣が失敗した理由は意志が模倣できなかった事が明言されている。つまり物理的な意味だけならば、王の模倣は成功していた可能性が示唆されている。
零の幼生を、再度見比べてみる。
物理的には、王の模倣が成功していた、という仮定の前提で、素材「銀雫の殻」のテキストを再度確認してみる。
銀の雫は生命を模倣する(生物・肉体としての模倣)
模倣はやがて再誕となり(肉体を持ち、産まれてくる事ができる)
いつか、王になるのだという(ここで意志が不足していた)
つまり、王になるのだという、というように語った人間が想像したように、王たる意志があれば、王の模倣は完成していたのだろう、と読み取れる。
であれば、何故意志は模倣できなかったのか? という疑問に繋がる。
筆者はこれを、人格は模倣できない、というよくある設定の一つだと思って流していた。ふーん、まあ意識は真似できないよな、みたいな感じだった。
しかし影の地に生じた零の幼生には存在し、ノクローン産の零の幼生に不足していたように読み取れるものがあった。霊だ。
つまりこれ、生物に霊が備われば、正しい生命として再誕できた、って読み取れないだろうか?
もうちょっと踏み込んで言えば、ノクローンやノクステラの時代には、魂を作る術は無かったor失伝していたのではないのか? と思えなくもない。
おそらくノクローンやノクステラ時代よりも前であると筆者が思っているエニル・イリム文化時代には、秘儀の巻物にて魂を操る術が記載されている。
白い樹皮の巻物
影に隠された塔にあるという
神の門の秘儀が記されている
だが、読み解けるのは、ごく一部だ
神の帰還は王により導かれ
王の魂には、依り代が求められる
何と言うか、絶妙に繋がりそうというか、関係がありそうな気はする。とりあえず保留。
エニル・イリムにある木から考える、ボ二村の壷
エニル・イリムについて明らかにされている設定は多くないと思う。
建造物的な意味で言えば、角人の本拠地。設定的に言えば、神が生まれた場所。(おそらく)マリカが神なった場所であり、(間違いなく)ミケラが神になった場所。
そして多分、色んな設定要素が見落とされていると思われる場所。
とりあえず筆者がマジで気になってる疑問。
まず以下の画像を見てください。そして、画像荒いのホントに申し訳ない。
これ、エニル・イリムの木なんですよ。
この木自体は、祝福「第一塔」から出てすぐの所にある。
これ、画像荒すぎてアップでも確認できないんですけど、見て貰うと木の表面にびっしりと人にしか見えない瘤がある。そして面白いのは、画像の通りなんですけど、角人ってこの木に祈りを捧げているんですね。つまりこの木、角人から信仰されてる訳です。
一応赤線で囲ってみたんですけど、分からないですよね。
まあこれ、この木だけが特別な訳でもなくてですね。
小さい植木鉢から生えてる木にも、人に見える瘤があるんですよ。
赤線で囲うと、これなんですけども。
そして繰り返しになりますが、特別なロケーションではないです。人に見える瘤が生えている木なんですけど、これってエニル・イリムの至る所にあります。だからこれ、角人からすると信仰対象ではあるけど、それ以上の特別性は持たない物に見えるんですよね。
ちなみに、人に見える瘤がない普通の木もエニル・イリムにはちゃんとあります。そして人に見える瘤がない木は、真っ直ぐ育っています。逆に人に見える瘤がある木は、結構な割合で捻子くれています。例外は最初のような画像で、瘤同士が絡み合った結果、結果的に木の形という大枠で見れば真っ直ぐに見えるだけの形をしています。
エルデンリングDLC風に言うなら、螺旋のようになっているから。もしくはお互いがお互いに巻き付く様に交差するから、結果的に真っ直ぐに見えます。面白いですね。
そしてこの木ですが、エニル・イリム以外にはないように思えます。見つけられなかっただけって可能性は普通にあるんですけど。
とりあえず筆者は、マリカと言うか、黄金の一族は植物人間説を推しています。テキストとかの証拠がないので、絶対に正しいとは絶対に言いませんけど(即矛盾)
何にしてもミケラが聖樹に宿ろうとしたとか、大穴に居るトリーナの状態とか。こういうのを見ていると、筆者にはどうしても、黄金の一族には植物の特徴があるように見えてしまいます。
そして何時かの記事の繰り返しになってしまうのですが、筆者はボ二村の風習が凄く胸糞悪かったです。そしてその上でふと気づく。よく考えると、ボ二村って壷人を作ろうとしていたのだろうか?
以下、大斧「ボニの解体包丁」のテキスト。
ボニ村の大壺師たちの得物
牢獄に納める大壺を作るために
人体を切り分ける大包丁
製法書「大壷師の製法書」のテキスト。
各地を放浪した大壺師の製法書
故郷ボニ村の、陰惨な生業に膿んだ男は
大壺にあらゆるものを詰め込んだ
中身肉のテキスト。
大壷を満たす肉の切れ端
ピクピクと蠢く薄紅色のそれには
怨霊がこびりついている
善き人になるために
切り刻まれ、大壷に詰め込まれた罪人どもの
なれの果てである
頭防具「大壷頭」のテキスト。
逆さに被り、頭をすっぽりと覆う大壺
牢獄で祈りを捧げる祈祷師の被り物
投擲壺および大壺の威力を高める
その祈りは大壺の中身に捧げられる
いつか、善き人として生まれ変わるように
それは、人の手による輪廻である
鞭「歯の鞭」のテキスト。
醜い歯を不揃いに並べ、埋め込んだ鞭
汚れた歯は、あらゆる雑菌に塗れており
その歯傷には猛毒が蓄積する
やがて、傷はじゅくじゅくと膿み爛れ
巫子たちは、他の肉とよく馴染んだという
間違わないよう、テキストに書かれている文章だけを書き出す。
①壷に解体した死体とまだ生きている巫女を詰めた。
②その行為が陰惨な生業と認識されていた。
③この行為は、人の手による輪廻であった。
④巫女たちは、他の肉とよく馴染んだ。
これも一つの気付きだと思った。
ボ二村には、人を壷に詰める行為を行っているとは書かれているが、壷人を作ろうとしている、というテキストがどこにもない。筆者もそうだが、既に壷人と言う人種がいる事を知っており、人を壷に詰めていたから、状況を見て壷人を作っている、と思い込んでいただけだ。
思えば本編に登場するNPCアレキサンダーなんかも、戦士の壷云々は置いておくとしても、死体を詰めていた。しかし、アレキサンダーの死体を詰める行為はあくまでも補充と補強のためだ。
例えばNPCのアレキサンダーは、ラダーン戦後に慟哭砂丘の死体を寄せ集める事で強くなる。またその際、中身が零れたと言っているし、中身が補充できる、という発言もしている。またNPC小壷は、小壷+ディアロスのイベント終盤、死亡したディアロスの死体を自身に補充する事で、ディアロスのような勇敢な戦士になろうとしている。
タリスマン「友なる壷」のテキスト。
壷たちが、友に贈るタリスマン
人の血肉を、その生の源としながらも
壷たちは皆善良である。あるいはそれこそが
彼らが作られた理由であったろうか
このテキストが、ボ二村で壷人が作られたという発想を生む最大の要因のように思うのだが、これはおそらく以下のような意味になる筈だ。
人の血肉を、生の源としながらも(人の血肉がなければ、生まれる事が出来ないが)
壷たちは皆善良である。あるいはそれこそが(壷たちは皆、善良である。むしろ善良である事こそが)
彼らが作られた理由であったろうか(壷人が作られた理由であったのかもしれない)
似ているが、決定的に違う。
善良であるように作られているのが、壷人。
善良になるように何かを作っているのが、ボ二村の因習。
そしてボ二村のインパクトの所為で忘れそうになるが、本編にて壷人の制作方法は明らかになって居ないままだし、ボ二村は壷人を作っていたと明言されていない。
話が逸れてきたので、本筋に戻す。
とにかくボ二村が壷人を作っている村だ、とはテキストには書かれていない。自分で書いててもかなり意外なので、筆者が気付いていないだけでどこかに壷人を作っている、て記載があるかもしれない。知ってる人居たら教えて欲しいです。
なんにしても見つけられたテキスト的に確実だと言えたのは、巫女が壷に入れられている事。巫女に残虐行為を行った事。巫女に残虐行為を行い壷に詰める事が、人の手による輪廻である(確定)である事だ。
そしてエルデンリングの作中を通して輪廻を司っているのは黄金樹だ。もしくは「死ぬ→産まれる→生きる→死ぬ」の大きな生命サイクルを、死を取り除く事で永遠とした事を現しているのが黄金律と表現されているように思う。
更に筆者の仮説である、黄金の一族(マリカ含む)植物人間説をここに加える。
壷から生えてきたらこれぐらいの大きさになるんじゃないかな、と思える人に見える瘤がある木…
何かいっぱい人に見える瘤がくっついてるな、と思える大きな木…
そして、人の手による輪廻…
閃いた。
ボ二村って、壷人作ってたんじゃなくて、エニル・イリムに収める謎の木を作ってたんじゃないだろうか? もっと妄想力を高めて言えば、原初の黄金樹ってこれじゃないのだろうか?
こじつけである自覚はあるのだが、否定する材料も案外少ない気もする。何かの切り口になれば良いかなと思うが、どうだろうか。
とりあえずこの妄想を掘り下げようとすると、ミケラが聖樹エブレフェールでそうしたように自らの意志で木に宿ったのか、何かしらの方法で従順にした上で無理矢理に宿らされたのか。ここがどちらなのかが大事だと思う。
歯の鞭についている戦技「痛打」のテキスト。
特に痛みを与えるための鞭の一撃
一時的にスタミナ回復速度を低下させる
そして、痛みは人を従順にする
歯の鞭が何に使われていたのかを加味して考えた場合、ボ二村周りの背景は再考する必要があるような気がする。
最後までつきあってくれてありがとう!