【ドルフロ】特定の人形の絵柄が急に変わる理由

ドールズフロントラインをプレイしていると同じ人形なのに見た目が急激に変わる場合があるかと思います。これにはさまざまな理由がありまして、今回はその理由について簡単に説明していきます。

特定の人形の絵柄が急に変わる理由

それでははじめます。今回は実際に具体的な例を挙げて、特定の人形の絵柄が急に変わる理由について説明していきましょう。まずはMOD実装によって話題になったドールズフロントラインの主人公ことM4A1からです。

CASE1:AR小隊『M4A1』の場合

M4A1通常イラスト:担当イラストレーターは海猫络合物さん

M4A1のもともとのイラストレーターは『海猫络合物うみねこりゃくごうぶつPixiv/Weibo』さん。ドールズフロントラインではシステムUIも担当しました。プレイヤーがいつもTOP画面で見ている編成とか戦闘というアレは海猫络合物さんが作ったものです。

ドールズフロントラインの主人公と言えばこのM4A1ですが、彼女はなかなかスキンが出ないことで有名でした。またMODⅢが実装された時にもオリジナルと雰囲気が違うなど絵柄の違いが指摘されていました。

M4A1のMODⅢイラスト:担当イラストレーターがZAGALAさんに代わっている

これはサンボーン立ち上げ後、海猫络合物さんが「自分にも作りたいゲームがある」という理由で退社してしまったため、サンボーンから当人にイラスト制作を依頼できなくなってしまったことが原因です。

このように、絵柄が変わってしまう多くの場合はそもそも描いている人が変更されたケースが多いです。外注はさておき社内でイラストを担当していた場合、退職を機に追加依頼が出来なくなることはままあります。

M4A1はゲームでも人気の人形。絵師交代となると相当な負担ですが、今回これを担当したのはイラストレーターのZAGALAさんです。ゲーム内では404小隊の隊長であるUMP45やUMP9を担当している方ですね。

ドルフロからアークナイツへ

ちなみに海猫络合物さんはサンボーンを退社後、独自に鹰角网络-Hypergryph-というチームを立ち上げました。氏は現在、アズールレーンを手掛けるYostarと共に「アークナイツ」という新しいゲームのプロデューサーとして活躍しています。

M4A1の生みの親、海猫络合物さんが手がけたタイトル。日本名は「アークナイツ」

ゲーム自体はタワーディフェンスゲームなのでドールズフロントラインとはだいぶ異なりますが、漂わせてる空気感などは親和性があるのでドルフロが好きな方にはおおむね好評の様子。並行してプレイしている人も見ますね。

余談ですが、もともとM4A1が所属するAR小隊は初期の段階では現在のような5人ではなく6人となる予定でした。その『6人目』はドールズフロントラインではなくアークナイツで実装されることとなります。

AR小隊として集まっているメンバーに見知らぬ人物がいますね。一人は指揮官と見られるフードの人物、そしてもう一人はSOPMOD2によく似た人物です。

6人目のAR小隊と謎の人物

二人はドールズフロントラインには登場しませんでしたが、その後、海猫络合物さんが手がけるアークナイツで実装されます。フードの人間はプレイヤーの分身「ドクター」として。そして左下の人物は「W」という名前が与えられました。

特徴的な見た目と赤い差し色からどことなくSOPMOD2に近しい印象を受けますね。

一部のファンとの間ではドールズフロントラインとアークナイツでコラボを期待する声もありますが、サンボーン社(正確にはMICA-Team)とYostarは商標権がらみで過去にトラブっていますので実現は難しいかもしれません。

ちなみに関係筋では少女前線のプロデューサーである羽中氏とアークナイツのプロデューサーである海猫络合物氏はそれなりに良好な関係を保っているそうです。

CASE2:スチェッキンの場合

射速型のハンドガンとして根強い人気のスチェッキンも担当イラストレーターが変わりました。もともとのイラストレーターは鳗鱼子さんですが、先行鯖ではMODⅢを機に『椿日:Weibo/pixiv/Twitter(春日な)』さんに変わっています。

鳗鱼子さん自身はスチェッキンの初期デザイン以外は担当していません。おそらく継続的にイラストの発注を出来るような状態には無かったのでしょう。そこで実力のある椿日さんに声が掛かったというのがスチェッキン変身の理由です。

なお椿日さんは中国民族衣装のイラストをよく投稿している方で、ドールズフロントラインではお団子あたまのハンドガンであるQSB-91も担当しています。

QSB-91に関しては専用スキンも実装予定です。スチェッキンともども、今後の新スキンが期待できそうですね。

CASE3:絵師が一緒なのに絵柄が違う場合も

JS05。絵師が音符名義のため「音符戦隊の緑の子」と呼ばれることもある。

これはちょっとレアケースなんですが、中の人は同じなのに絵柄がまったく異なるものもあります。代表的なのは音符さんことZAGALA、またの名をDOGALAさらにまたの名をinfukun(Weibo/Pixiv/Twitter)さんです。あぁややこしい。

この方ちょっと変わった方でして、絵柄によって名義(ハンドルネーム)を変えるという特徴があります。ゲーム内での絵柄を見ていると、なるほど同一名義の場合は作風や色遣いが似ている気がします。

UMP45はZAGALA(=音符)名義の作品。テイストが少し変わっている

ZAGALA名義で描いているのはUMP45やUMP9、あとはM4A1のMODⅢです。ちなみに叛逆小隊メンバーの中でM4A1だけが大破のテイストが違うのは本人に指示が届いてなかったからだそう(それ以外のメンバーは弾幕が張られている)。

また根強い人気を誇る鉄血メンバーやコラボキャラのエルフェルト(アナイアレイター)もこの方が手掛けています。こうしてみると名義によって絵柄が違うのが分かります。

黒を基調とした落ち着いた感じに仕上がってますね。エルフェルト自体はコラボキャラですが、鉄血勢力はモノトーン調で統一することで明らかにグリフィンチームとは違うことが目でわかるようになっています。

海外のWikiではイラストレーターによる検索が出来ますが、実際にZAGALA名義とDOGALA名義と音符名義で並べてみました。

本国版Wiki:少前百科GFwiki-画师一览(http://www.gfwiki.org/w/画师一览)より

違う名義の時はイラストのテイストが違うことに気づいていただけたでしょうか。このように名義によって自分の作風や世界観を変えてくる変わったイラストレーターもいます。音符さんはこのパターンです。

ところで「キャラクターデザインがイラストレーターの交代に起因する」ことに対して、なんだか心地が悪くなった方はいませんか。これにはイラストに対する考え方の違いが原因です。

そこで次の章では「イラストに関する考え方の違い」について説明します。

イラストに関する考え方の違い

担当イラストレーターが交代することに関して皆さんはどのように考えるでしょうか。問題ないと考える方もいれば、生みの親から子供を奪うなんてとんでもないと考える方もいるでしょう。日本では後者の考えの方が多いと思います。

仮に担当イラストレーターが降板すると「あぁもうこのキャラクターの新しいスキンは実装されないんだな」と嘆く声があがります。艦これしかりドルフロしかり、日本人は作品とクリエイターを結び付けて考える方が多いからですね。

しかしこれは一般的ではありません。なぜならゲーム内におけるキャラクターはゲームを構成する一部に過ぎず、独立した作品ではないからです

作品は誰のもの?

1の思考に陥りがちだが、実際は2の考え方が一般的

アニメにしろゲームにしろ、創作物には創作者がいます。前者は監督、後者はプロデューサーと呼ばれることが多いですね。この場合、創作物は監督あるいはプロデューサーのものです。

たとえばドールズフロントラインで言うなら、この作品は終末世界における人間劇をテーマにしたものです。作品の制作者は監督である羽中氏。世界もキャラもストーリーもすべて羽中氏が作ったもの、つまりドールズフロントラインは羽中氏の作品です。

従って担当イラストレーターを誰に頼もうがそれがドールズフロントラインのキャラである以上は製作者である羽中氏の自由です。イラストレーターはあくまで絵を提供したに過ぎず、作品自体の制作者ではありません。

自分の作品に登場するキャラクターのイラストを誰に描いてもらおうが「それはプロデューサーの勝手」です。描いた人間がどうこう言ったり、ましてや観客が指図できるようなものでは本来無いはずです。

担当交代はプロデューサーの裁量

そうなるとMODを機にイラストレーターを変更したり、イラストレーターが退職したことを理由に別の担当を割り当てるのはごく自然のことであって、それについて「おかしい」と感じるのは当人の感想にすぎません。

実際この考えは日本独自のものらしく、特に海外の方と話していると「担当イラストレーターが交代することに日本人が否定的な感情を示す理由が分からない」と首を傾げられてしまうことが稀によくあります。

たとえば韓国指揮官のHAWK(@HAWK_B)氏は、Twitter上でのやり取りで絵師交代に関する日本人の否定的な反応に対して「興味深い」と言っています。

https://twitter.com/HAWK__B/status/1270707764222812160

韓国(あるいは中国など)では人気のイラストレーターが代わりに描いてくれることを歓迎する風潮があります。あとから人気が出たキャラを大御所が描いてくれればより良いデザインになるのだから当然ですね。

しかし日本人(より厳密には日本のオタク関連の方々)はイラストレーター交代に対して否定的な感情を示す方が少なくないです。それはいったい何故でしょうか。私は『日本オタク特有の価値観』が影響していると考えます。

日本オタクはクリエイターを尊重しすぎ

私ふくめ日本オタクは日本のアニメやゲームを大切にするあまり、クリエイターやオタク産業を過剰に尊重する傾向があります。アニメーターの給与が少ないことに心を痛め、アニメの実写映画化の陳腐さに憤り、社会がオタク文化を軽視したと感じれば途端に牙をむきます。

これを今回のケースに当てはめるとイラストレーターを交代するという行為は「生みの親であるイラストレーターから子供(キャラ)を奪う」行為にすり替えられてしまいます。本来の作者であるプロデューサーではなくイラストレーターを重視しているからです。

しかしこの考えはあくまで個人の心情や理念に基づくものであって、そうではない価値観を持っている方からすれば「それはあなたの感想でしょ?」と返されるのがオチです。イラストを提供しただけで作品の創作者に成り代われるわけではないですからね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事は戦術人形の絵柄が変わったことが気になって仕方がない方向けの情報でした。多少ネタバレも含んでしまっていますが、この記事が少しでも皆さまの役に立てたなら幸いです。

イラストレーター交代に関していろいろな考えがあることは重々承知しています。私もクリエイターに片足突っ込んでいる身としては自身の創作活動を軽視されるのはあまり気持ちの良いものではありません。

とはいえ本来の創作者とは誰であるか。その作品の創造主(神)はどこにいるのかを考えれば、イラストレーターが交代したからと言って騒ぐのは少々筋違いのようにも思えます。

担当する人間が入れ替わったからと言ってその人間がクリエイターとして否定されたというわけではありませんから、今後、急に絵柄が変わったとしても驚かないようにしてくださいね。

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この記事を書いた人 Aynumosir@どるふろ

はじめまして!Aynumosir(あいぬもしり)と言います。ゲームは楽しく元気よくをモットーに、日々のんびり楽しく過ごしています。なかなか上達しないへっぽこ指揮官ですが、生暖かく見守っていただけると嬉しいです♪

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