ちょっと指の母メーテール周りのイベントに対する考察で凄く物申したい。これは筆者がエルデンリングの考察を上げると決めた時から、絶対に記事にしたかった。
まず前提としてなのだが、今現在の「指の母メーテール」の評価は、狭間の地で起こった出来事の元凶であると言われている。そして、筆者は全くそう思っていない。
この記事を見た方、考察の再考をお願いします。
-Contents-
指の母メーテールの設定を確認(妄想力1)
以前にも少し語ったのだが、改めて確認。
話をややこしくしたいわけではないので、まずは事実だけを確認する。
追憶「指の母の追憶」のテキスト。
影樹に刻まれた
指の母、メーテールの追憶
指読みにより、主の力を得ることができる
また、使用により莫大なルーンを得ることもできる
全ての二本指、そしてユビムシの母は
大いなる意志の輝ける娘にして
狭間に落ちた、最初の流星であった
指の母は、狭間に落ちた最初の流星と語られている。そしてメーテールは全ての二本指や、ユビムシの母でもあるのだろう。加えて大いなる意志の輝ける娘でもある。つまり女性体だ。
それ以上の事は書かれていない。
武器「大いなる彼方の杖」のテキスト
母は、大いなる意志の波動を受信していた
壊れ、棄てられた後も、ずっとそれを待ち続けた
大いなる意志の波動を受信していた(過去形だ) 壊れ、捨てられた後も、ずっとそれを待ち続けた(現在形だ。つまり、今は受信できていない)
武器「見つめる指」のテキスト
その先端の指腹、指紋の皺の中心には
ほんの小さなイボのごとき瞳が
虚ろに彼方を見つめている
重要な事実は何も語っていないように思う。敢えて読み取ろうとするのであれば、虚ろに彼方を見つめている、という文章は「彼方にいる大いなる意志を見る事が出来なくなっている」という意味ではないかと思う。虚ろに見るとは、焦点があっていない、という意味だ。
これらのテキストを纏めると、指の母メーテールは以下のようになる。
①狭間に落ちた最初の流星。
②すべての二本指やユビムシの母。
③大いなる意志の輝ける娘(性別が女性)
④かつて大いなる意志の波動を受信しており、今は受信していない。
⑤(おそらく)大いなる意志を見る事が出来なくなっている。
これだけだ。要するにフレーバーテキストには、指の母メーテールが悪意を持って狭間の地に何かを成した、とはどこにも書かれていない。以前の繰り返しになってしまうが、筆者が見逃している可能性があるので、間違っている場合は教えて欲しい。
とりあえずこんな感じで、大いなる意志はどうだか分からないが、少なくとも指の母メーテールを語るテキストには、何かしらの目的を持っていたとか、悪意のある干渉を行ったとか、そう言う事は一言も言及されていない。
では何故指の母メーテールが、或いは大いなる意志が悪意を持って狭間の地に何かを行ったと思っているのだろうか? まずはその誤解を紐解く。
大司教ユミルと夜の剣士ヨラーンを考察(妄想力2)
まず大前提としての話なのだが、フレーバーテキストは絶対に正だ。嘘は書かれていない。
言い回しが独特であったり、あえてぼかされていたりする部分があるので、読み取り方やその文章を読んだ際の印象による勘違いや間違いはある。むしろそれはあって当然だし、これが無い人間はおかしい。これが全員一致したらおかしいので、それはいい。
だが、提示されたフレーバーテキストそのものには嘘があってはならない。何故なら、フレーバーテキストで嘘を吐いてしまうと、ゲームの情報が何も信用できなくなるからだ。
そしてもう一つの前提があるのだが、フレーバーテキストは嘘を吐いてはいけないが、キャラクターは嘘を吐いても良い。
幾つかキャラクターを上げて紹介する。
NPC「フーテンのパッチ」は分かりやすい。
主人公を騙して崖から落としたり、命乞いを行った後に主人公を転移罠に嵌めたりする。また嘘吐きである事を本人が認めているし、悪びれている風もない。ただ嘘吐きではあるがクズではないので、プレイヤーは許せるだけだ。しかしパッチは、事実として明確に嘘吐きなNPCだ。
NPC「火山館の女主人、タニス」は分かりにくい。
イベント終盤まで言葉通りNPCの殺害報酬を用意してくれるが、イベント最後には主人公を火山館の真の主である「冒涜の蛇、ライカード」に捧げる。しかし主人公がライカードを撃破しても、内心はどうあれタニスは主人公に恨み言は言わない。これはライカードが敗北する事は、タニスの常識に照らし合わせるとライカードを再誕させる儀式の一環であるからだろう。つまり主人公がライカードに勝とうが負けようが、火山館の主としての言葉である「黄金樹を倒す」と言う主張は一貫している。つまりタニスは、主人公を殺害しようとしたが嘘はついていないNPCだ。
NPC「魔術教授、セルブス」はどうだろう。
このキャラクターで印象に残るのは、ラニやセレンとの関りに出る傀儡のイベントだと思う。まずセルブスは、傀儡を知らないと主人公に嘘を吐く。しかし主人公が傀儡を欲しがるなど、傀儡に肯定的なスタンスを取ると主人公にもその秘密を打ち明ける。つまりただの嘘吐きから、共犯者の立ち位置に変わる(セルブス自身がピディの傀儡であるかのような描写もあるのだが、そこは今回置いておく)
つまりセルブスは、嘘を吐くNPCである。その上で、その嘘の先に確かめる事が出来なくなった嘘に見える疑問点を抱えているNPCだ。
このように、テキストは絶対に正しいのだが、NPCは比較的簡単に嘘を吐く。
嘘を吐く理由は、NPCにはNPCの考えや目的がある事が原因だ。要するにNPCの考えや目的に、主人公が乗せられたストーリー形態になっている。そしてこのストーリー形態を、一般的に〇〇に騙された、利用されたと表現する。
その上で、DLCにて登場したNPC「大司祭、ユミル」とNPC「夜の剣士、ヨーラン」の言動を振り返ってみよう。
まず「大司教ユミル」関連のイベントにて、ユミルが不在の際に地下の指移籍を確認する事が出来る。その際、主人公は「夜の剣士、アンナ」に襲われる。
そして主人公は地下で襲われた夜の剣士の話を「夜の剣士、ヨラーン」に報告できる。ヨラーンの反応は以下だ。ちょっと長いが。
…貴様
今、何を言った…?
…
…いや、いい。もう口を開くな
私の星は、ただ一つだ
それは、貴様の言葉ではない…
…礼だけは、伝えておこう
貴様に感謝する
…だが、この話は終わりだ
私の星は、ただ一つ
それは、貴様の言葉ではない
いけ
この話は、もう終わりだ
そしてヨラーンの一連のイベントを遺灰「夜の剣士、ヨラーン」を入手する事で終わらせた場合、その遺灰をアンナの傀儡を取り込む事により強化することができる。以下が遺灰「ヨラーンとアンナ」のテキストだ。
霊魂の宿った遺灰
ヨラーンとアンナ、二人の霊体を召喚する
ユミル卿の傀儡、アンナを取り込んだ
二人の夜の剣士の霊体
ヨラーンの刀と、アンナの爪は
共に深黒であり、敵のガードを貫く
二人は、暗く寒い牢獄で生まれ
光を奪われ、夜の剣士として育てられた
それは彼女たちを、恐るべき刃となし
また心を弱くした
まずテキストにて、アンナはユミル卿の傀儡である、と明記されている。
そしてアンナに襲われた事を主人公から聞いたヨラーンは、主人公の言葉を信じない、と言ってる。しかし同時に、ヨラーンはその会話の中で、アンナの事を教えてくれた主人公に感謝している。
この短い会話が、ヨラーンの言動が矛盾している事実を非常に端的に現していて面白い。順番としてはこうだ。
①まずおそらくと前置きを置いた上になるが、ヨラーンは何かしらの事情で行方が分からなくなったアンナを探していた(もしくは身を案じていた)可能性がある。
②それに関係するのかは分からないが、ヨラーンにはアンナの行方が分からないという前提があったから、主人公がアンナに襲われた事実に(おそらく)何かしらの思い当たる部分があった。これは主人公の報告から、ヨラーンの理解までが早すぎる事からの想像。
③だから主人公の言葉を、(おそらく)知性の部分では正しいと感じた。
④しかし、主人公にアンナに出会った状況などは聞かず、それ以上口を開くなと発言している。つまりヨラーンにとって、主人公が口を開く事はユミル卿への疑心が膨らむ方向に動くと感じたから、主人公にそれ以上喋って欲しくなかったと見る事が出来る。
⑤ヨラーンの中で既にユミル卿への疑心は生まれたが、それでもヨラーンはユミル卿の言葉を信じると主人公に宣言した。つまり、ユミル卿が間違っていてもユミル卿を信じると言った訳だ。
⑥しかし内心では主人公の言葉に正統性を感じていたため、主人公に感謝は行った。
このように見える。そしてここに、遺灰「ヨラーンとアンナ」のテキストも考察材料として足そう。テキストの一部が以下。
ユミル卿の傀儡、アンナを取り込んだ
二人の夜の剣士の霊体
遺灰「ヨラーンとアンナ」が手に入るのはイベントが完全に終わった後になるが、ここでようやくアンナはユミル卿の傀儡である事が明言される。
これはつまり、ヨラーンとユミルの言動を振り返った時、「ユミル卿の傀儡」であるアンナの事を正直にしゃべらなかったユミル卿とヨラーンは嘘を吐くNPCと言う事になる(ヨラーンの場合、噓を吐くと言うよりは事実を喋らないNPCに分類されるかもしれないが)
ユミル卿の場合はヨラーンよりも直接的だ。ミアの指遺跡訪問後に行われる会話は以下だ。
…
…貴方、もしかして、何かご覧になりましたか?
もしそうなら、今は忘れる事です
星の導きが、いつか、貴方に真実を明かすまで
…つまらぬ誤解は、お互いに悲しいだけですからね
この会話こそが、ユミル卿の本質を最大限表している。
ユミルは、この会話の時点で主人公(プレイヤー)に全てを明かす事が出来た。星の導きが真実を明かすなどと言う抽象的な言葉で煙に巻いているが、この時点で間違いなくユミル卿は主人公(プレイヤー)へ何かしらの説明を行えるのだ。
その説明は、言い訳かもしれない。正統性があったのかもしれない。しかし説明されていない以上、分からない。だから主人公(プレイヤー)が想像するしかなくなる。
その上でユミル卿は、つまらぬ誤解は、お互いに悲しいだけであるという思考誘導を兼ねた予防線を張る事で、主人公(プレイヤー)にあなたの想像は誤解である、と暗に語っているのだ。このユミル卿の言葉を分かりやすく言い換えると、「お互いに利益があるのだから、見なかった事にしませんか?」だ。何故なら本当に誤解であるなら、誤解を解くやり取りをするだけで良い。
もしくはセブルスがそうだったように、隠していた場所に入るなんて失礼なやつだな、と開き直ればいいのだ。事実、勝手に入った事に関しては明らかに主人公に非があると思う。
分かるだろうか。つまりここで会話内容の正統性の有無は別の問題として置いておくにしても、何かしらの言い訳を行わなかった時点で、ユミル卿は嘘を吐くNPCだ。もう少し踏み込んで言えば、嘘を吐いたうえでプレイヤーの思考誘導を行うNPCだ。
一言で言えば信頼できない語り手がユミル卿なのだ。
そして信頼できない語り手とは、意図的に間違った情報を与えるキャラクターの事だ。
ユミル卿の嘘と思考誘導の方法(妄想力4)
では、ユミル卿の嘘は何なのだろうか。
これは大枠だが、一つに集約できる。一言で言えば「指が何もかもの元凶だ」という、この論調それ自体がユミル卿の嘘なのだ。
指の母メーテールの項目で語ったが、指の母メーテール関連のフレーバーテキストには、指の母メーテールや大いなる意志が何かしらの悪意を持って狭間の地に干渉行った、と記載されていない。
では指の母メーテールや大いなる意志が全ての元凶だ、と言っているのは何であり、誰なのだろうか? ここを振り返ると気付くのだが、実は指が全部悪いと言っているのはユミル卿だけだ。
ヴァレーはあくまでも「二本指には愛がないから信用できない」という論調だ。狂い火関連のNPCは「苦しみを無くすために一つの生命に戻るべきだ」という論調だ。
そして暗黒の落とし子の追憶だが、実はこれも指がやったとは一言も書かれていない。以下、追憶「暗黒の落とし子」のテキスト。
黄金樹に刻まれた
暗黒の落とし子、アステールの追憶
指読みにより、主の力を得ることができる
また、使用により莫大なルーンを得ることもできる
遥か彼方、光の無い暗黒で生まれた星の異形
それはかつて、永遠の都を滅ぼし
彼らから空を奪った、悪意ある流星である
これが勘違いの元凶だと思っている。
暗黒の落とし子アステールが遥か彼方の光のない暗黒で生まれた事は明言されている。そして永遠の都を滅ぼし、彼らから空を奪ったのが悪意によるものだという名言もある。事実だ。
しかしこれ、誰の悪意であるのかが明言されていない。
指の母メーテールの悪意だったのだろうか? 大いなる意志の悪意?
指殺しの刃のテキストから想像する事は出来る。以下が原文そのまま。
永遠の都、ノクローンの秘宝
遺体から生まれたとされる刃
永遠の都の大逆の証であり
その滅びを象徴する、血濡れた呪物
運命なき者には振るうことはできず
大いなる意思と、その使いたちを
傷つけることができるという
血濡れているのだから使われたと思う。だが誰に使われたのかを明言はされていない。
指殺しの刃は、大いなる意志とその使いを傷つける事が出来る刃であり、大逆の証である事だけが事実だ。
例えばだが、これを使って誰かを傷つけたかは高確率でそう言える、という想像だ。そして誰かを傷つけたから、暗黒の落とし子アステールを大いなる意志が悪意を持って呼び出したというのは、そう見えるだけの想像だ。明言されていない。
そして明言されていない以上、誰の悪意によってアステールが永遠の都を滅ぼしたのかは、本来断定できない筈だ。
メーテールかもしれない。大いなる意志かもしれない。しかし第三の選択肢として、永遠の都と敵対していた何者が悪意を持って呼び出したという可能性はゼロなのだろうか。
悪意は基本的に生物特有の物である以上、悪意を持って滅ぼしたと明言されている以上、悪意を持ってアステールを呼び永遠の都を滅ぼしたのは、悪意を持っている人がやったと考えるのが一番しっくりこないだろうか? と言うか、筆者には一番しっくりくる。
めちゃくちゃにぶっ飛んだ妄想考察を垂れ流せば、角人とかマリカが悪意を持って神と交信を行い永遠の都を滅ぼした、なんてこじつける事も不可能ではない。勿論これは妄想力高くなりすぎるので、これは例え話ぐらいのものだが。
要するに、悪意を持って大いなる意志が狭間の地に何かしらの干渉を行っている、もしくは行ったと断定しているテキストは多分ない。多分。見落としているだけかもしれないけど。見落としていたらごめんなさい。
ただ少なくとも筆者には、大いなる意志は悪意を持って狭間の地に干渉しているようには思えない。
二本指は生を謳歌しろと言っている。三本指の全てを焼き溶かすというのも、発生する結果に問題はあると思うが、スタンスとしては善意の押し付けであり悪意ではない。悪意を持って何かが発生したとされているのは、暗黒の落とし子アステールの一件が最初で最後だ。
まあ、ここを掘り下げ始めるときりがないので、とりあえずこの話題は置いておく。
とにかく話を本筋に戻す。ユミル卿の嘘の話だ。
ユミルに、ミケラの事を聞く事が出来る。以下が会話になる。
…ミケラ、あの幼き者は感じていました。
自らの出自が、血が、如何に汚れ、狂っているのかを。
悲壮な事です。
それが故に、すべてを捨ててしまおうなどと。
ああ、すべては母の罪だと言うのに。
繰り返しになるが、ユミル卿は立ち位置としては信用の出来ない語り手だ。
この母の罪というのも、母マリカの罪なのか、指の母メーテールの罪なのか明言されていない。ただ母の罪だ、と言っている。母の罪なんて、何処のテキストでも語られていないのに。
それっぽい言葉を語り「この話を聞いて、あなたはどう思いますしたか? あなたが今考えた事が正しいんですよ」と言っているように見えないだろうか? 筆者にはそう見える。思考が誘導されていないだろうか?
まずミケラの大ルーンのテキストも見比べてみよう。
棄てられたミケラの大ルーン
完全に壊れており、恩恵が戻ることはないが
ただ、魅了に抗う力だけが残っている
ミケラは、影に隠された塔に向かった
その黄金の身体も、力も、宿命も
全てを棄てて
はじまりから続く因果を超えて
全てを抱く、新しい神になるために
大ルーンテキスト → ミケラは黄金の体と力と宿命を捨てた。そしてすべてを捨てて始まりから続く因果を越えて、すべてを抱く神になろうとした。
ユミル卿 → 出自が、血が、汚れて狂っている。だからすべてを捨てた。すべては母の罪だと言うのに。
論調が若干ずらされている。
ミケラの大ルーンは、あくまでもミケラは始まりから続く因果を越えるために、黄金の体と力と宿命を捨てて神になろうとした、と書いている。そして、フレーバーテキストは絶対に正だ。
つまりユミル卿が言うように、別に血が汚れているとか狂っているとか、その罪悪が母の罪だとかって事は、何処のテキストにも書かれていない。つまりユミル卿の言う母がマリカの事を指していても、メーテールの事を指していても、そもそも母に罪がある、という言い分自体が嘘(と言うよりはユミル卿の思考誘導から派生する勘違い)である可能性がある訳だ。
良い感じに妄想が高まって来た。
ユミル卿自身も勘違いの中に居る(妄想力3)
そして筆者的にこれが非常に面白い考察ポイントなのだが、おそらくユミル卿自身も指の母と言う物を勘違いしている。
指の母メーテールを撃破した後、ユミル卿は「指の母、ユミル卿」となって主人公と戦闘を行う。そしてこの際のセリフが以下になる。
母の力を、渡してください
見てください、私の指たちを
私は、本当の母になります
そして、母は一人だけで良いのです!
つまりユミル卿の言葉が真実であれば、主人公はユミル卿が母の力と呼ぶ何かを持っている筈だ。しかし、主人公は何も持っていない。
分かるだろうか? つまり、ここでもユミル卿は嘘を言っている。嘘、と言ってしまうと少し言い方が悪いかもしれない。より正確に言えばユミル卿は、主人公が指の母メーテールを撃破する事で母の力と考える物を持っている筈だ、と。勘違いしているのではないだろうか。
ユミル卿視点で見れば嘘はついていないが、主人公視点で見るとユミル卿の言い分の意味が分からず混乱を招く。
セリフなどを整理してみよう。
撃破時セリフ。
ごめんね、ユーリ
貴方の母に、なりたかった…
つまり、ユミル卿の最終目標はユーリの母になる事だった。
そのユーリって誰やねん、て話だが、これは生まれたばかりのユビムシの事だ。ユミル卿の独り言って形で聞く事が出来る。
…ああ、かわいそうに
うなされているのね、ユーリ
どうか、忘れてしまいなさい
あんな、醜く壊れたものなんて
独白なので、嘘は無いだろう。
指の母メーテールの事を、壊れているから忘れてしまった方が良い、と言っている。つまり指の母メーテールを知っているかのような言葉に見える。
画像的に言えばこれだ。
見て貰えばわかるが、ユミルとユーリは明確に種族が違う。つまり男だとか女だとか以前の話として、ユミルはユーリの産みの母にはなる事が出来ない。しかし育ての母になる事は出来るように思う。
事実、ユーリはユミル卿になついているように見えるし、狭間の地で拾う事が出来る遺灰「ユビムシの遺灰」のテキストなどから、種族が全く違っていても、幼いころは悪意や敵意と言う物が限りなく薄いのではないか? と想像させるテキストがある。
その上で、ユミル卿が墓の前で行っている独白を見てみよう。
ごめんね
しっかりと、産んであげられなくて
…まだ、母にはなれないけれど
それでも、私はずっと傍にいるわ
だから、今は安らかにお眠り…
独白なので、ここにも嘘は無いだろう。
その前提でこの文章を読めば、明確な事実が分かる。
①本来のユーリと呼ばれる存在は死産だった可能性がある。少なくとも今は死んでいる。
②ユミル卿は自身が母ではない自覚がある。
ユミル卿の嘘や勘違いだと思われる部分は除外し、可能性が高そうな事実を足していこう。
③ユビムシであるユーリの産みの母であるメーテールは、ユーリを顧みる事がないのだから忘れてしまった方が良いとユミル卿は思っている。
④だから、子を顧みない指の母を殺し、ユビムシの母となりたいとユミル卿は思っている。
⑤ユーリの母になりたいとユミル卿は考えている。
そして、最後にユミル卿の論調に願望が混ざる。
⑥指の母になるには、何かしらの特別な力(素質、要素。言葉は何でもいい)がある筈だ。
⑦その力を持っている筈のメーテールは主人公が殺した筈だから、主人公からその力を奪う事でユミル卿こそが指の母になれる筈だ。
こんな感じだ。
徐々に思考がずれているように思う。
大いなる意志に対する解釈違いはないのか?(妄想力MAX)
結局の所、大いなる意志や指が電波的な何かを、マリカやラダゴンなどに伝達したとは思えないのだ。
ラニが私はあんなものに操られなくないのだ、と言ってるのも悪い。あんなものって、何の事だ? 思い返せば、ラニが言うあんなものとは、ラニの二本指の事だ。大いなる意志やメーテールの事ではない。
そして本編でも言われているが、大いなる意志は狭間の地を見捨てている。つまり大いなる意志は、どのタイミングからかは分からないが、狭間とは関わっていない筈なのだ。メーテール関連のテキストは、大いなる意志と呼ばれる存在が認識できる範囲に存在しない事実を現してもいる。
そして大いなる意志が狭間の地を見捨てて以降、各二本指や三本指は独自の判断で狭間の地で生きている。エルデの獣がどのような存在かは分からない。しかし少なくともラダゴンは色々やっているが、突き詰めて言えば自分がこう思う良い世界を実現しようとしているだけではないか?
円卓の二本指は、エルデンリングを修復する事で、生を謳歌するようにと言っている。
狂い火の三本指は、生命が分かたれた間違いのせいで苦しみが生まれたから、全てを一つに戻す事で苦しみを無くそうとしている。
ラダゴンは、当初は黄金樹を完全にして豊穣を取り戻す事を目的にしていた。マリカがエルデンリングを砕いてからは、エルデンリングの修復と黄金律以外の律を掲げられないようにしている。
つまり皆が皆、自分の考えの元、こうなれば良い世界になるのに、という発想を実行に移しているだけでしかない。そこには押しつけの善意こそあれ、悪意と言う物は存在しない。
思えば、ミケラもそうだ。
ミケラが表や裏でどれだけの事を行ったのかは不明なのだが、少なくともミケラが行ったあらゆる行為に悪意は付随していない。
だから、筆者は大いなる意志やネーテールは、人を操ろうとしている訳ではないし、洗脳毒電波を飛ばしている訳でもないと思うのだ。
もう一歩踏み込んで言えば、エルデンリングのストーリー骨子は、本編もDLCも含めあくまでも英雄譚だと製作者から明言されている。だから大いなる意志が全て悪いとか、メーテールが悪いからあいつを倒せば丸く収まるとか、そういう都合のいい存在などどこにも存在してないのではないのではないか、と思う訳だ。
悪意がある様に見えるだけ。
操られているように見えるだけ。
かなり個人的な意見になるが、きっとそう見えるのは思い込みではないか?
エルデンリングは既に古いゲームであり、答えが出ない煮詰まった考察の前提があるから仕方ないとは思うのだが、一度常識をリセットして、再度各フレーバーや背景を再考する方が良いような気がする。
付き合ってくれてありがとう!
ちょっと追記(おまけ)
一応なんですけど、じゃあメーテールって何やってたんだよって結論部分抜けてました。
筆者的になんですけど、生きてただけなんじゃないか説を推します。
簡単に思考実験をしてみましょう。
例えばなんですけど、今生きている全ての生命の母みたいな存在が居るとします。
で、そのすべての生命の母には一番最初の娘が居るとしましょう。で、最初の娘は人類を産みました。つまり、一番最初の娘は人類の母って事です。
で、それから2024年ぐらいたった現在、その人類の母的な存在がまだ生きていると仮定しましょう。生きている事だけは分かっていて、どこに居るかは分からない、て条件も付けます。
で、こんな仮説を自問自答してみましょう。
世界から争いが無くならないのは、人類の母の所為でしょうか?
インターネットは人類の母が作ったんでしょうか?
宗教は人類の母を崇めているのでしょうか?
究極的に言えば、人類の母を殺したからって、人類の罪が消えるんでしょうか?
筆者的には、たとえ人類の母が長い時を生きていたとしても、生きているだけなら人類には関係ないと思うんですよ。だから人類の母を殺しても、
争いは無くならないと思うし。
インターネットは作られたと思うし。
宗教は自分たちの神を崇めていると思うし。
人類の罪なんて消えないと思うんですよね。てか自分で言っておいて何ですけど、人類の罪ってなんだよって感じですし。
そんな感じです。
今度こそ、最後まで付き合ってくれてありがとう!
攻略情報を見ながらDLC2周目をしていて、うっかりユミル卿のイベントを一部飛ばしてしまったので、
このサイトならユミル卿の詳細あるかな~と思って見てみたら、
ちょうどドンピシャの記事出てて嬉しかった~!いつもありがとうございます(* ╹ヮ╹*)b
ユミル卿がユビムシ抱いてるの気づかなかったので画像見てびっくりしましたw
ユーリってユビムシだったのね…
ユミル卿はレラーナの魔術教授だったようですけど、何があってこんなところでユビムシにハマってしまったんでしょうね…( ・᷄ ̫ ・᷅ U)
コメントありがとうございます!
自分だけだと見逃してる、て事は結構あるというか、普通によくありますよね。私もしょっちゅうやっちゃいます。それこそ、ユミル卿がレラーナの魔術教授だってこと、すっかり忘れてましたw
今はユミル卿の考察はこれ以上思いつきませんけど、教えてくれた事も加味するとまだまだ色々考える事ができるキャラクターなので、面白い切り口思いつけばまた記事にさせてもらいます!
いつも楽しく読ませていただいてます。
何の役にも立たない感想ですがせっかくなので残しておこうと思います。
母になりたいユミル、神になりたいミケラ。
そうなることになんらかの活路を見出してる姿は似ているなぁと感じました。
ユミルと主人公の因果で考えるなら、それができないから頼んだのでしょうがユミルは主人公に頼まず自分で全てを成し遂げるべきだったということでしょうか。
結果としてユミルが望む指の母にはなれなかったでしょうが、指達にとっては正しく母であったように思えます。
ミケラもまた、全てを棄ててはじまりの因果を乗り越えられたとしても自身がはじめた因果による結果は避けられなかったということなんでしょうか。
頭が痛くなりますねw
次の考察も楽しみにしております。
コメントありがとうございます!
楽しんでくれてると嬉しいです!
DLCは色々考えられて楽しいんですけど、頭痛くなりますよねw
次回は突飛な発想を抑えて真面目に書くつもりなので、また見て行ってくださいm(__)m