読者の皆様は、自分が不器用だと思った事は無いでしょうか?
筆者はあります。
なんというか、「これだ」と自覚することこそ少ないのですが、たまに「ああ、不器用だなぁ」と感じることはあります。
というわけで、筆者は不器用なのです。
-Contents-
簡易版記事
アイスクリームを綺麗に盛り付けることには価値がある、という話。
その価値には「実は付加価値という名前の値段が付いている」という話。
そして「既に発生している付加価値を、AIはさらに上げる事ができるのか?」という話。
簡易版記事なので最後の落ちを言っちゃってます、これは実はAIの話です。
ソフトクリーム問題
皆さんは、ソフトクリームをセルフでカップに盛ったことはあるでしょうか?
ファミリー向けのチェーン店である「しゃぶ葉」とか、地味にホテル代わりになる「快活クラブ」とか、この辺で食べる事ができる機械です。

まあ、こんなやつ。
みなさん、これを使ってアイスを「ソフトクリームの形」に、うまく盛り付ける事ができるでしょうか?
隠さずに言いますと、筆者は盛りつける事ができません。
で、友人は盛りつける事ができます。
そして先日、友人とご飯を食べに行ってこれを使った時、筆者はふと気づいてしまった訳です。
「なるほど、これこそが器用さの価値なのだ」と。
はい。
これだけだと何を言っているのか分からないと思うので、分かるように説明します。
綺麗に盛り付けることは、実は「特殊な技能」である
「腹に入れば同じだよ」という言葉を聞いた事があると思います。
まあ、盛り付けが上手くいかなかった時の冗談の一つです。
これ自体には深い意味はありません。
実際、「綺麗に巻かれたアイスクリーム」と「べちょっと倒れたアイスクリーム」に、味の違いってのは存在しません。全く同じものです。同じ機械から出て来てますからね。
それこそ「腹に入れば同じだよ」を地で行ってます。
というわけで、この2つのアイスクリームを並べてみましょう。
そして、通行人に2つの質問を聞いてみる訳です。
「綺麗に巻かれたアイスクリーム(アイスクリームAと仮称)と、倒れた形のアイスクリーム(アイスクリームBと仮称) この二つは全く同じ機械から出たものなのですが、どっちを食べたいですか?」
そして、こう囁くわけです。
「値段は同じで良いですよ」
タダじゃないのかよ、て突っ込みはしないでください。
話の本題ではないので。
ここで大事なのは、この2つの条件であれば、おそらく「アイスクリームBが食べたい」と答える人はかなりレアな人間の筈ってのが想像できるってことです。
そして、アイスクリームAを選んだ人に選んだ理由を聞いてみると、おそらくほとんどの人が「アイスクリームAの方が奇麗だったから」と答えると思います。
まあ筆者でもそうする訳なので、皆そうするよなって感じです。
ですが、実はここで重要な条件分岐が隠されていますよね。
「アイスクリームAと、アイスクリームBの値段が同じである」
これです。
値段が違えば、アイスクリームAではなく、アイスクリームBを選ぶ人が出てくるのではないでしょうか?
これも、結論としては「おそらくアイスクリームBを選ぶ人が出てくる」でしょう。
この選択分岐点が「幾らからアイスクリームBが選ばれるのか」の具体的な数字は分かりません。
110円(アイスA):100円(アイスB) ぐらいからアイスBが有利なのかもしれないですし、120円(アイスA):100円(アイスB)ぐらいまで行かないと、アイスBが有利にならないのかもしれません。
ですが、ここで言いたいのは「選択分岐点」を具体的にすることではありません。
アイスクリームを綺麗に盛り付けられる店員の器用さは、少なくとも「1割程度の価格差を生み出すポテンシャルはある」と言えるのが、この話の重要な部分になります。
この器用さは、AIにより「効率化できるのか?」
というわけで、ネタバレの部分。
最近テレビでは、よく「中小企業はAIによって効率化する/できる」のような話を聞きます。
というわけで、アイスクリーム問題を考えてみたわけです。
今回考えてみた「アイスクリームを綺麗に盛り付けられる器用さ」ってのは、大げさに言えば100円のアイスを110円(仮定)ぐらいで売ることが可能な「特殊技能」に分類できる訳です。
で、巷で噂のAIに、この行為を代行させたとしましょう。
果たして、それは「効率化できている」のでしょうか?
というよりも「特殊技能を持つ店員が110円で売っていたアイスを、AIが盛りつけるようになったから100円になりました」って話になるのでしょうか?
実はこれ、見かけほど簡単な話じゃないですよね。
1. アイスを110円のまま売って、人件費を削減した分だけ「会社の利益」が増えるのでしょうか?
2. アイスを100円のまま販売すれば、「110円品質相当のアイスを、安く売っている」と判断して消費者が購入するのでしょうか?
3. もっと言えば、「AIの維持管理費が0円のような前提」で書かれていますが、これは「たかが1割程度付加価値しか生んでいない人件費の効率を改善できる」のでしょうか?
4. さらに言えば、少なくとも筆者の知る「日本の中小企業」ってのは、この手の「価値が付いていないように見える特殊技能」を積み重ねて商売をしているように思うのです。
こんな感じで、実は「AIが中小企業で利益を生む」論には、実は結構疑問符の付く現実問題があると思うわけです。
「AIを導入すれば自動的に利益が増える」って単純な話ではない、ってのは、この「ソフトクリーム問題」ぐらいからでも簡単に想像できますからね。
筆者の周りを見れば、色々と思う部分はある訳です。
思う部分について色々と語りたいのですが、とりあえず今日はここまで。
話がややこしくなるといけないので、ちょくちょく「AIの効率化について」の考察を上げていこうと思います。
最後まで読んでくれてありがとう!