TikTok規制がスマホゲーに影響しない3つの理由

TikTokが日本で規制?ゲームに影響はあるの?

2020年7月28日、日本自民党は中国で開発されたスマートフォン用アプリケーションの利用を制限するように日本政府に提言すると発表しました。若者に人気のアプリTiktok(抖音)を規制し遮断することが狙いとのこと。

これはおもにインドやアメリカで進んでいる中国産アプリ排除の流れを踏襲したものと思われます。

Tiktok:世界で7億以上ダウンロードされている人気の中国産アプリ

2020年6月インドでは、Tikitokを始めとした59個の中国産アプリを禁止すると発表しました。それ以外にも名前が上がったアプリは中国産TwitterのWeibo(微博)や自撮りアプリのMeitu(美図)など全59種。

聞いたこともないアプリがずらりと並ぶのは壮観ですが、ここで気になるのはドールズフロントラインやアークナイツ・アズールレーンなどといった中国産スマホゲーがどうなっていくのかという点です。

結論:ドルフロは影響しない

まず結論から。今回の規制を端としてドールズフロントラインやアークナイツ・アズールレーンといったゲームアプリが規制の対象となることは「 ほぼありえない 」と断言します。以下がその根拠です。

  1. ①アプリの規制が主目的ではない
  2. ②規制すべきものはもっと他にある
  3. ③この規制は国と国の喧嘩の延長線上にある

理由1:アプリの規制が主目的ではない

今回、自民党内の『ルール形成戦略議員連盟』が動いたのは世界的な流れとして中国に対して対決姿勢を取ろうとする諸外国の例に倣ったものであり、TikTokそのものの危険性に関して対抗策を講じたものではありません。

もともとTikTokの危険性については前々から各所で論じられており、今更その危険性について根掘り葉掘り指摘する必要はありません。それに危険性の高いアプリというのはTikitokに限らず世界を見渡せばあちこちにあります。

たとえばロシアが開発した「フェイスアップ」は、もともと個人の画像データの収集が目的として開発されたアプリです。撮影された被写体の画像はロシアのデータベースに保管され、利用規約により「あらゆる利用」が認められていました。

世界的に人気の写真加工アプリFaceapp:集められた画像の権利はどこにある?
WEB上でFaceappの利用規約の危険性が拡散されたことを受け、Faceappは2019年に利用規約を修正。現在は「画像データを収集していない」「48時間以内に画像は消去している」としていますが、それが真実かどうかを明らかにする術はありません。

Tiktokが今回やり玉に挙がったのは、単にユーザー数が多い人気のアプリだからというのが理由です。もしWeiboの利用者が8億人を突破し日本でも普及していれば、TikitokではなくWeibo規制案が出ていたはずです。

つまり今回の規制は『中国に嫌な顔をしてもらうため』『諸外国から理解を得るため』であってアプリそのものの危険性を重視したものではありません。

理由2:規制すべきものはもっと他にある

中国産アプリが危険だというのはオンライン上に個人情報を流す危険があるからというのが最も多い理由ですが、それは果たしてアプリに限った話なのでしょうか?それ以外にもネットに繋がったものはあるのではないでしょうか?

中国が関与している『個人情報をネットに繋ぐことが可能な』ものというものは、多々あります。たとえば仮想通貨であるPayPayや、中国の巨大メーカーであるHuaweiが手掛ける各種端末などがそうです。

ポケットWi-FiがHuawei機種だったりすることもありますね。

仮想通貨のPayPayはWaonやnanacoを抜いて、2020年「仮想通貨利用率、日本国内シェア1位」に躍り出ました。コンビニなどの会計時に「ぺいぺい」という音を聞いたことがある方は少なくないと思います。

また中国産スマホの世界的なシェア率も向上しており、2019年Huawei(中国)のシェア率はApple(アメリカ)を抜いて2位に浮上。1位のSamsung(韓国)にぐんぐんと迫る勢いで、このまま行けば今年は1位になる見通しです。

中国+ネットの組み合わせが危険だというのであれば、これらを先に規制すべきなのです。それをせずに中国アプリを規制するというのは筋が通りません。

理由3:この規制は国と国の喧嘩の延長線上にある

結局の所、今回のアプリ規制は「中国に嫌な顔をしてもらいたくて」やっているに過ぎません。アプリそのものの規制が目的ではないのです。ではなぜこのような嫌がらせのようなことを行うのでしょうか。

それは5月に中国がネット界に衝撃を与えるような動きを見せたからです。

5Gという言葉を聞いたことがあるでしょうか。日本名で『第5世代移動通信システム』。それまでの通信を過去のものにする画期的な改革で、ガラケーがスマホに進化したのと同様、5G時代にはスマホは無くなるとされています。

眼鏡の中にスマホが入るとか電柱が広告になるとかボールペンでネット会議ができるようになるとか色々なことが可能になる時代が来ると言われる5G時代。当然ですがこの5Gを牽引したものが次の世界のリーダーになります。

そしてこの5Gの国際競争を最前線で行っていたのが中国とアメリカです。

中国は次世代のリーダーとなるべく5Gに注力しています。このコロナ禍にありながら3兆円を優に超える投資を行っており、年内には50万器を越える5G基地局を新設するとしています。これは世界最高水準のレベルです。

対するアメリカのトランプ政権はこの5G競争に負けないため、中国に対してあらゆる対策をとってきました。過去にHuaweiのCFOを逮捕したりHuawei製品の使用に規制をかけたりしているのはその戦略の一環です。

こういった国と国との思惑の間で行われているのが今回の規制案です。ドールズフロントラインを始めとしたゲームアプリは蚊帳の外です。

なんでこんな騒ぎになってるの?

いつものデマが広がった

自民党内の『ルール形成戦略議員連盟』が政府に対してTikTokの規制を提言するという情報が出た際、インターネット上、特にTwitter上においては全く根拠を示さない「スマホゲー規制のデマ」が広がりました。

内容としては「とりあえず中国産のスマホアプリだからこれも全部規制だよ」というもの。しかしその内容を見てみると、どれもこれも個人の感想に過ぎない程度のもので情報源としては全く信用できないものばかりでした。

しかし普段この手の話題に触れていない方々からするとかなりショッキングな話題だったようで、あまり調べもせず「周りの人が言ってるからこう」と追従するつぶやきも散見されました。

こういった「噂が独り歩きしている」状態が今回の騒ぎに繋がった形です。

前々から火種となる話題だった

もともとアメリカと中国は5G戦争において相争う関係にありながら中国が多少リードしている状態にありました。次世代のリーダーを狙う中国に対して諸外国が警戒を高めていたのは事実です。

そこに来てインドと中国は国境間における軍事衝突によりインド側に20名の死者を出すという事件も起きています。これはインド国内で反中国を加速させるには十分すぎる事件で、それが前述したインド国内での中国産アプリ禁止に繋がりました。

インドとアメリカおよび日本は友好国です。ただでさえ中国に対して敵対姿勢を示している両国が、上述した理由で中国との対決姿勢を明確にしたのであれば、日本としても傍観者を決め込むわけには行きません。

今回自民党が政府に『中国産アプリ排除』の提言をしたのは、こういった各国の政治的な思惑が背景にあるからです。

まとめ

以上が、Tikitokが仮に日本で規制されたとしてもドールズフロントラインなどには影響がないことの理由です。自民党をはじめ各国が中国や中国製品に対して目くじらを立てているのは5G戦争の一環であり、アプリ排除が主目的ではありません。

そもそも個人情報を集めることがNGなのであれば、米Googleなんかはどうなるんだと言う話もあります。Googleは利用者の情報を勝手に集めて勝手に利用したり、利用者に告知なくプライバシーポリシーを突然変更したこともあります。

インターネットを通じてサービスを利用する以上、相手が信用できるかどうかは自分の目で確認する必要があります。単純に○○国のアプリだからダメ、と思考停止しないようにしていきたいですね。

良かった (14 いいね
読み込み中...

参考記事

是非フォローしてください

最新の情報をお伝えします

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *