今回は三國志覇道というゲームについて、少し真面目に考えてみたい。
まず前提なのだが、三國志覇道は決して「売れていないゲーム」ではない。
むしろスマホ向けの戦略シュミレーション(SLG)として考えれば、異例と言って良いほど長く、そして安定して運営されているタイトルだと思う。
しかし、現実問題としてこんな話は聞こえてくる。
・昔ほど人がいない
・強い人が辞めていく
・結局、課金しないと何もできない
これは単なる愚痴なのか。
なぜ三國志覇道は今の形になっているのか。
なぜ多くのプレイヤーが違和感を覚えながらもプレイを続けているのか。
そして、なぜこのゲームは“終わりそうで、しかし終わらない”のか。
筆者自身も三國志覇道のプレイヤーです。
そして無課金でもなければ、いわゆるトップ層でもない。
だからこそ見えてくる視点があると思っている。
結論から言えば、三國志覇道はおそらく、次の問題にぶち当たっている。
・「ゲームとしての寿命」
・「ビジネスとしての寿命」
この2つが、はっきりと別の方向を向き始めている。
はい。
というわけで、ちょっと本気で三國志覇道について語ります。
現在、筆者の目線で見ると三國志覇道には大きく3つの問題点が存在します。
1:トップ課金層の引退。
今更ですけど、トッププレイヤーだった方の引退は何だかんだで目立ちます。冗談抜きで家買えるレベルで課金していた人がやめている、てのは問題でしかありません。
2:廃課金プレイヤー専用の対戦サロン化。
ディスコードなどを含めたコミュニティの形成、オフ会の開催など。三國志覇道は既に対戦型SLGとしてよりも「コミュニティツール」としての側面が強い。ここを間違ってはならない。
3:SLGとしては既に死亡している。
「金を払ったら勝てる」のは当たり前なのですが、「金を払っていないのだから廃課金にいじめられてください。それが無料でゲームをやる義務です」まで行ってしまうと、それは「なんでそんなクソゲーやってんの?」てレベルです。
まあ、筆者もやってますけど。で、三國志覇道がどっちに近いのかは、各々のプレイヤーの胸の内に答えがある筈。
今回はこの3つに切り込みながら、「ならどうやって改善するんだよ」の結論まで掘り下げたいと思います。
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簡易版記事
この数字は筆者の私見や憶測が多いです。例:リンクソースにsteam、アップルストア、Googleストアの統計ではない数字があるなど。実際、コーエーテクモの経営状態について詳しい訳ではありません。ここ、ほんとに注意。
「無双」が「作業」になる流れは現実問題として既に存在している。
「作業」を「無双」に戻すことでゲーム性を回復させている実績もある。
三國志覇道はゲームへの月額課金として考えると高いが、コミニティへの参加料と捉えると高くないという現実。
SLGとしてのゲーム性を復活させたいなら、課金額以外に「差」が必要。
大体こんな感じの記事です。
トッププレイヤーの引退について
一言で言えば、無双するだけでは飽きるって話だとおもいます。
以下が、各三国無双シリーズの販売1年のデータです。
| タイトル | 発売年 | 1年間の累計(推計) | 状況・市場の反応 |
| 無双1 | 2000 | 約50万本 | PS2の普及と共に伸びた可能性もある。 |
| 無双2 | 2001 | 約150万本 | 日本国内だけでミリオン達成。 |
| 無双3 | 2003 | 約200万本 | シリーズ最高速。 発売1ヶ月で国内100万本超。 |
| 無双4 | 2005 | 約220万本 | PS2時代の完成形。海外売上も安定。実際面白かった。 |
| 無双5 | 2007 | 約120万本 | PS3に移行。連舞システムが不評だったらしい。筆者はここから買ってません。 |
| 無双6 | 2011 | 約100万本 | ストーリー演出は高評価だったらしいのだが、販売の勢いは鈍化している。 |
| 無双7 | 2013 | 約80万本 | 安定して売り上げているものの、明らかに飽きが目立ち始める。 |
| 無双8 | 2018 | 約73万本 | 海外人気が高いと踏んだのか、オープンワールドへ挑戦。そして評価が低迷。 |
| ORIGINS | 2025 | 約150万本〜 | V字回復。 発売2週間で100万本を突破。 |
なぜORIGINSの売り上げが回復したのか?
筆者はやっていないので、どうしてORIGINSは売れたかに関しては触りません。
昔の無双のようなボタン連打して草刈りするだけではなく、ジャスト回避やガード崩し、武技?のような各種コマンドがあるなど、なんか色々面白うと思う要素が盛り込まれてるっぽいのは間違いないです。
MAP開始時の会話など、「案山子でしかなかったNPCたちと一緒に戦っている感」や「作戦がある感」などもゲーム性を上げているのではないか、と思います。筆者がやってた頃の無双ゲーって、良くも悪くも自分が突っ込んで敵薙ぎ払って終わり、みたいなゲームでしたからね。
ここは筆者のような一回のエアプレイヤーよりは、キチンとプレイしたプレイヤーや、こうすれば面白い筈だ、と想定して開発したコーエーテクモゲームスさんなどの方が詳しいと思います。
ただ確実に言えるのは「無双するだけでは飽きる」というのが事実でしょう。
同時に「気持ちよく勝てないと飽きる」というのも事実でしょう。
この二つをうまく両立できたが故の、売り上げV字回復だとは思います。
ただ無双シリーズの売り上げが大事なのではなく、三國志覇道のプレイヤーが求めるべきは何なのか、三國志覇道を面白いゲームにするのは何が必要なのか、はこの辺から学べるんだと思います。
ただしこれが現代のゲーム事情なのですが、面白い真三国無双ORIGINSが全世界で100万本売れたとしても、1本8000円で100万本売れても、タイトル的な売り上げは80億円です。実際の利益率などはもっと低いです。
しかしストアセールランキング(steamなどもあるし)から考えれば、三國志覇道はリリースから5年の累計売上は既に数百億円になっていると想定できます。

2020年45億、2021年54億、2022年45億、2023年35億、2024年と2025年10億。
低く見積もっても5年で150億円ぐらい売り上げを上げていると想定が可能。つまり、これでサービス終了とかするわけがないと思います。開発費やサーバー維持費が分かりませんけど。ついでに言えば、日本だけの話でもないですし。、
ただ、逆に言えば売り上げは順調に下がっているとも言える気もします。
実際2026年1月29日時点(関羽実装月)での月商予想が3800万なので、1プレイヤー目線で言わせてもらうとあの性能の関羽実装して3800万しか売り上げなかったの? とは思う。

またここにあるように、課金イベント連発した2025年12月の月収予想が8800万であるのも中々に致命的。「新陣形」「40周年名宝」「クリスマスイベント」「年末年始イベント」これだけ重ねて8800万予想ですからね。どこまで合ってるのか怪しいですけど。
これはもう少し踏み込んで筆者の主観を入れると、「ついにインフレによる集金も限界(あるいは飽和)に達しつつあるのではないか?」という想像をせざるを得ない。皆さんはどう思いますでしょうか。
原因がプレイヤーの引退か、あるいは既存プレイヤーが課金やめたとか、どっちかは分からないですけど。
| 年度 | 売上状況(推定/報道等) |
|---|---|
| 2020 | 配信開始・月商10億円達成(好調)(ファミ通.com) |
| 2021 | モバイル売上牽引の主力の1つとして認識(決算情報)(gamebiz〖ゲームビズ〗) |
| 2022 | 年間数十億円規模(47億円推計)(W3G) |
| 2023 | 年間数十億円規模(38億円推計)(W3G) |
| 2024〜25 | 安定推移、ランキング・売上は中堅タイトルレベル(数千万円〜億円台)(ゴリラwiki) |
| 2026(予想) | 安定収益を維持する一方、既存タイトルとして成長は緩やか。 |
富豪たちの払う毎月課金により月商億単位商法を維持する方が、ビジネスとして圧倒的に「効率的」で「安定」しています。
資本主義ってホントくそですね。
昨今の情勢を見ていると、なんとなく資本主義にも限界が見えているような気もするのですが… まあ、三國志覇道にも明らかに限界は見えます。

廃課金プレイヤー専用の対戦サロン化
これについては悪いって話ではないです。
ただ、構造的な意味でそうなってるって話です。
まずディスコードなどの無料外部ツールによるコミュニティが存在しています。ラインとかでもコミュニティがあるかもしれません。
これは「三國志覇道」というソーシャルゲームのタイトルであるものの、実質的に自分が課金をやめるとサービス終了が確定している「定額コミュニティ状態」になっている疑惑。
もっとわかりやすく言えばソーシャルゲームを介した関係性のサブスクのような状態になっており、つまりこの状況が続くのであれば「三國志覇道がどれだけクソゲー」になったとしてもサービス終了はしない、という事実の裏返しでもある。
逆の言い方をするのであれば、このコミュニティに魅力を感じてお金を支払う人間が居なくなると、閉鎖することが確定しているコミュニティでもあるとも言えるのかもしれない。
そういう意味では、多少暴論にはなるが三國志覇道という名前の対戦型SLGとしての寿命は、既に尽きている。と言ってもいいのかもしれないと感じてます。
結局は人口の多さが市場規模の大きさなので、廃課金さえ居るなら無課金は不要って論はある種の理想論です。廃課金を呼び込むために無課金が必要で、廃課金が気持ちよくなるために必要なのが微課金層だったりします。
ありとあらゆる「差」で儲ける資本主義の構造上、「XX層は居なくても問題ない」みたいなのは全て暴論です。無課金も廃課金も必要ですし、馬鹿も天才も必要です。
対戦型SLGとしては既に仮死状態
あらゆる物事で、既に結論は出ています。
つまりゲーム性を磨くより、人間関係(課金サロン)を強固にする方が、客は離れないし会社は儲かる(サブスク系列、ローン系列など)
現実問題として、新武将を出すだけでパッケージ1本分の金額が儲かる。
この逃れる事ができない集金構造が完成してしまっているが故に、三國志覇道(というか、他の覇道シリーズも)コーエーテクモにとって「金が成る木」の気質を強く受けている。
つまるところ、コーエーテクモの開発戦略は、以下の2段構え構想だと予想ができる。
1.パッケージ型:数年に一度程度のスパンでゲーム性を重視、あるいは改造して新規層やライト層の囲い込みやひきつけを行う。
真三国無双ORIGINSがその役割だった可能性が高い。事実、無双シリーズというタイトル的な意味での売り上げ面では成功している。
2.運営型:ゲーム性よりも「コミュニティ(高級サロン化)」を重視し、三国無双4時代の全盛期以上の利益を、無数に存在する富豪プレイヤーから吸い上げる。
筆者がプレイしているのは三國志覇道ですが、信長覇道が実装、キングダム覇道もリリースなど、コミュニティの囲い込みは発生している。
少し言い換えると、「100万人に8000円の、同じ条件で遊べるパッケージゲームを開発するリスクとリターン」と「1万人に15万払わせ続けるリスクとリターン」
この差額をプレイヤーが負担することになる運営型ゲームというものを持続させるということは、経営判断として「きわめて正しい」と言わざるを得ない。
だからプレイヤーが運営に「面白いゲームにしてくれ」と発言すること自体がずれている。何故なら、会社としての経営方針は「面白いゲームを作る」ことではなく「作ったゲームで儲けること」がゴールだから。
極論的に言えば「面白くなくても売れる」という結論があるのなら、「ゲーム性など改善される訳がない」という理屈が通る。程度問題ではあるが、これはある種当たり前の話ではある。
ゲームシステムの改善案(地の利・因縁システム)
個人的には2つ。
理想的な話をするのであれば、地域ごとに武将へのバフやデバフを実装する。
これは結構面白いと思います。
例えばですけど、関羽が死んだ「樊城の戦い」というものがあります。
なので樊城近辺だと関羽という武将が率いている部隊にステータス補正的な意味でのデバフがかかるのはそこまで不自然ではないはず。
また、その地域で大きな勝利を収めた武将が率いる部隊にステータス補正的な意味でのバフをかけるのも、そこまで不自然ではないはず。これは例えば、「合肥の戦い」で呉軍に大勝利を収めた張遼などが合肥付近でステータスバフを受けるなど。
細かく分けるのであれば「その地域の出身である」などで補正を発生させても良い。
要するに、今の三國志覇道の「差」は良くも悪くも「課金額」しかありません。
それを「武将の出身」や「武将の歴史」、もっと言えば「プレイヤーの考え方」まで落とし込んで「差」を作る事ができるのであれば、対戦型SLGとしても三國志というキャラゲーとしても復活させられる可能性はまだ残ってると思います。
これらによって、「強力な武将を持つ廃課金プレイヤーによる競争過多な地域」と「ニッチな武将を使う人の少ない過疎地域」を意図的に作り出す事ができる。
要するに、システム側でレッドオーシャンとブルーオーシャンを意図的に作ってやる。
もちろんデバフを受けた廃課金プレイヤーが、バフを受けた無微課金を蹂躙することは可能。ただしそれはあくまでも「やっても満足感以外のうま味がない」「可能か不可能かで言えば可能」ぐらいのレベルに落とし込むことができる筈。
また「地域に適した武将を凸させていけば、究極的に言えば使えない武将は存在しない」という構造になる。これは、使用武将がほぼ固定されているマンネリ構造への回答の一つになる。
要するに以下の2つがメインです。
「地の利」による非対称性:
廃課金者がどれだけ最強の布陣を持っていても、その地域に縁のない武将ばかりであれば、補正を受けた微課金者の「地元軍団」に苦戦する。これによって「絶対的な強さが場所によって揺らぐ」という不確実性がでます。そして本来のSLGにおける戦略の醍醐味です。
今の三國志覇道に、戦略の醍醐味はありますか?
経済的なゾーニング:
強者が旨味の薄いブルーオーシャンを荒らすのは「コスト(補正による損害)が見合わない」状態になる。結果として、「中低課金者がその地域の主役になれる場所」が保証され、彼らのモチベーション(ゲーム性)が復活する可能性がある。
更に今の団長副団長のようなシステムではなく、1軍団にX人刻みで「どの地域でも武将に発生するバフやデバフの補正を受けない人間」を設定できるようにしてやれば、無微課金と廃課金が同じ軍団に存在できるという理由にもなるかもしれない。
シーズン限定「レンタル・フルスペック武将」
次回シーズンに持ち越せない武将を実装する。
シーズンを最後まで遊ぶと、完凸状態にすることができるお助けLR武将を実装しても良いと思う。現状のシーズンLR武将から、もう一歩踏み込む感じ。
対戦型サロン化への反論として浮かぶのは、「富豪は、自分より弱い存在を一方的に蹂躙できるからこそ、毎月高額料金を払っているのではないか?」という反論は当然あると思う。
ただし無双シリーズの売り上げが徐々に下がったことを考えると、これは「無双しているだけでは人は減る」ことへの逆説的証明になる。
言い換えると、例え高級サロンを収益のメインとするとしても「人が減らない(市場規模が縮小しない)」ことが最大のパフォーマンスを発揮できる可能性が高い。
「体験」の提供:
「廃課金の強さ」を1シーズンという期間限定で全員に疑似体験させることで、戦場の最低ライン(ボトムアップ)を底上げする。これにより、無課金でも「一太刀報いることができる」という希望が生まれる可能性。
また序盤は蹂躙出来されるも、最終盤は一矢報いる。そして、最終盤が過ぎれば再び蹂躙される側に戻る、という1サイクルを作ることも可能。
運営のメリット:
お助け武将を次シーズンに持ち越せないなら、既存の集金構造(永続資産としてのLR)を破壊しない。また「お試しで使ってみて強かったから、来季以降に持ち越したくなった」という販促にも繋がる。
ある程度の金額を用意するのもいいかもしれない(星0を持ち越すだけなら無料、友好度1000ごとに2万、名宝などは1万、フルスペックで持ち越したければトータル20万など)
またこのような形態の武将を実装すれば、運営は「戦場に人がいる」という、プレイ環境の改善が可能になる可能性がある。プレイヤーの離脱を防ぐことは、人という最大の資産を維持できる可能性に繋げることができる希望がある。
総括:未来はあるのか?
コーエーテクモという会社が、利益最大化を捨てれば可能でしょう。
ただし、それには結局「廃課金プレイヤー」や「ある程度の課金プレイヤー」が「人数が減ることはよくないことだ」と認識することから始まります。
これは非常によろしくない言い方なのですが、ある種コーエーテクモも課金プレイヤーも「サービス終了したら次のゲームに行けばいいや」という考えが言外の一致をしているので、「ゲームを面白くする努力」を捨てています。
プレイヤー側はプレイヤー側で利益を最大化し、運営は運営で利益を最大化している。
ただこれだけの、ある種分かり合う事ができない構造問題ではあります。なので、どっちかが譲る必要があります。プレイヤーがデメリットを背負ってでも、「それをやれば面白くないだろ」という行為をやめるとか(複数軍団の都市や地域談合)
あるいは、運営側が開発費を多少上げてでも新しいシステムを実装するのか。
ただし運営が実装したシステムを悪用するプレイヤーがいれば意味がないので、長く続け長ければマナーを守ってゲームをプレイしましょうってことです。
なので、筆者はこう言っておきます。
コーエーテクモに就職するか、ゲーム開発してsteamで販売しよう、と。
最後まで読んでくれてありがとう!